文楽

ただの人形劇だと思っていました。

ところが、生きているとしか思えない人形の表情や、哀切な太夫の語り、掻き鳴らされる三味線の音に、心を揺さぶられました。

はじめは、背後の人形遣いも共に見ているのですが、次第に気配を消し、最後は人形しか目に入らなくなりました。

人間も、この人形のようなものかもしれません。
見えている私たちを動かす黒子のような存在。
それを、無意識と呼ぶのか、魂と呼ぶのか。

心をわしづかみにされた、初めての文楽でした。

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