2017-12-10 文楽 ただの人形劇だと思っていました。ところが、生きているとしか思えない人形の表情や、哀切な太夫の語り、掻き鳴らされる三味線の音に、心を揺さぶられました。はじめは、背後の人形遣いも共に見ているのですが、次第に気配を消し、最後は人形しか目に入らなくなりました。人間も、この人形のようなものかもしれません。 見えている私たちを動かす黒子のような存在。 それを、無意識と呼ぶのか、魂と呼ぶのか。心をわしづかみにされた、初めての文楽でした。